早産で生まれた赤ちゃんの家族が励まされ、傷ついた〝言葉〟とは…医師が願う「お互いを尊重し合う社会」

「かわいいね!」「大きくなったね!」。そんなふうに自分の親が「早産の子」ではなく「普通の子」と変わらず純粋にかわいがってくれたことがうれしかったーー。11月に開かれた世界早産児デーのイベントで、早産児の家族の声が掲示されていました。言葉ひとつで励まされることも、傷ついてしまうこともあります。小児科医が説明した早産児の課題とともに紹介します。
河原夏季 2025.12.13
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「世界早産児デー」のイベントで展示されていたパネル

「世界早産児デー」のイベントで展示されていたパネル

「早産ってなに?」クイズで知る

「Q.1 早産とは妊娠何週未満で生まれること?

A.37週未満 B.39週未満 C.41週未満」

「Q.2 妊娠22週で生まれた赤ちゃんの体重の目安は?

A.約1000g B.約800g C.約500g」

11月に東京都内で開かれた「世界早産児デー」のイベントで、クイズが書かれたパネルが展示されました。

11月17日は「世界早産児デー」。早産の課題や負担について知ってもらおうと、2008年にヨーロッパNICU(新生児集中治療室)家族会や提携する家族会によって制定されました。

クイズの答えは、早産は「A.37週未満」で、22週の赤ちゃんの体重の目安は「C.約500g」です。

多くの赤ちゃんは「正期産」と呼ばれる妊娠37~41週に3000gほどで生まれます。妊娠22週目の赤ちゃんの体重は、おおむね約320~618gとされています。

「世界早産児デー」のイベントで展示されていたパネル

「世界早産児デー」のイベントで展示されていたパネル

家族が励まされた言葉

イベントでは、早産児の家族の思いが書かれたパネルも展示されました。

「早産になったことで自責の念が強かったが、出産後、実母が『生まれてきてくれてありがとう』と子どもに言っていたのを聞いた時、いつもはあまり笑わない実父がにこにこした顔で抱っこしていたのを見た時、うれしかった」

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  • 何気ない一言で傷つくことも
  • 小児科医「お互いを尊重し合う社会に」

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