24週370gで生まれた娘 その夜、一睡もできなかった父…流産を経て「命があればそれでいい」と考えるように

妊娠24週で、370gの小さなからだで生まれてきた長女。障害が残る可能性も告げられましたが、その前の年に流産で赤ちゃんを亡くしていた夫妻は、「生きてくれればそれでいい」と同じ思いでいました。しかし、病院に通い続ける日々ではお互いの気持ちがすれ違い、「精神的にギリギリの状態」だったこともあると話します。長女は今年、小学校に入学しました。
河原夏季 2025.09.13
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370gで生まれた坂上芽さん(中央)と父の真大さん、母の彩さん=坂上さん提供

370gで生まれた坂上芽さん(中央)と父の真大さん、母の彩さん=坂上さん提供

「命があればそれでいい」

「赤ちゃんに元気がなくて、緊急入院しないといけなくなった」

神奈川県に住む坂上真大(まさとも)さんは、2018年5月のある日、妻から電話でそう伝えられました。フリーランスのプログラマーとして東京都内で働いていましたが、すぐに神奈川の病院へ向かったといいます。

「状況は分かりませんでしたが妻が動揺していることは容易に想像でき、早く合流しなければと思いました」

妻の血圧は180を超え、赤ちゃんも弱っていることから、病院では妊娠を継続することが難しいと説明を受けました。生まれても助かるかどうか分からず、助かっても「障害が残るかもしれない」と告げられた2人。しかし、「助けてほしい」「生きてくれればそれでいい」と2人の気持ちは固まっていました。

今回の妊娠の前年、夫妻は赤ちゃんを亡くしていました。

真大さんは「流産の経験があったから『命さえあればなんでもいい』と感じたのだと思います」と振り返ります。

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続きは、2942文字あります。
  • 「強い子ですね」に支えられた
  • 妻が口にした「ごめんね」
  • 2人の気持ちにすれ違いも
  • 選択肢を広げられるように

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