参政党が掲げた「外国人問題」 ハーフの私が感じた身近な恐怖と、悪意なき他者への偏見
先日の参院選で、「外国人問題」を争点のひとつに掲げ、躍進した参政党。中国人の母を持つ「日中ハーフ」の私の身の回りでも、投票したり興味を持ったりした人がいました。彼らの思いを聞いて、ミックスルーツの私が考えたことは……。(朝日新聞記者・小川尭洋)
小川尭洋
2025.07.26
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「俺らの生活が苦しいのは、お前ら中国人のせいなんだよ!」
参院選をひかえた先月のある晩、東京都内の近所の交差点でそう叫ぶ中年の男性を見かけました。
周りには、中国語や英語を話す観光客たちが数人いました。
たしかに私自身は、中国人の母と日本人の父を持つ「日中ハーフ」ですが、初対面のその男性に私のルーツが知られているはずがありません。
周りの中国人観光客たちに向かって言っているのだろうかーー。
そう考えながら歩いていると、男性の声と足音が背後に迫ってきているのを感じました。
「いつまで日本にいるんだよ!早く出て行け!」
すでに交差点から離れ、人通りはほとんどありません。
私を追いかけながら叫んでいるとしか思えない状況です。
もしかして、私のスマホ上に流れていた中国の友人とのチャットや中国語のニュース記事を見られてしまったのかも……。