22週450gで生まれ、医療的ケアが必要な息子は小学生に 「かわいい」に救われた
私が「ほーちゃん」こと川村穂積さんの両親に初めて話を聞いたのは、3年前。Instagramで発信する様子を見て、取材依頼をしました。
ほーちゃんが生まれた当時、両親はどう向き合えばいいか戸惑ったといいます。しかし、息子の成長を見守り多くの人に支えてもらうなかで、今は「当たり前の幸せに気づけた」「かわいい、立派な我が子」と感じているそうです。
「ただただパニック」だった出産
ほーちゃんは2018年、予定日より4カ月ほど早い妊娠22週4日(妊娠6カ月)で生まれました。体重は450g。多くの赤ちゃんは妊娠37~41週で生まれ、平均出生体重は約3000gです。
突然の陣痛から出産となった母親の絢子さんは、「ただただパニックでした」と振り返ります。「年子の姉を産んだときはトラブルがなく、10カ月おなかにいることが当たり前だと思っていました」
当時、仕事で自宅がある三重県を離れていた父親の勝信さんも、すぐに病院へ駆けつけました。医師からは、「22週で生まれたら生きられないこともある。命が助かっても、障害が残る可能性がある」と告げられたといいます。
一度帰宅して身支度を整えた勝信さん。その際、「お風呂でひと泣きして気持ちを切り替えた」そうです。
「妻はもっと不安なので、自分がしっかりせなあかんなと思って。できるだけ笑うようにして、妻も笑わせようと決めました。でも、実際気持ちはブレブレです。どう受け止めたらいいのか分かりませんでした」
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